児童サービス論レポート(2021-2022) 司書関係(10)

近畿大学通信教育部図書館司書コースで学んだことを忘れないようにレポートを整理しています。
内容…お恥ずかしい限りですが、よろしければご覧下さい。
1.図書・図書館史レポート(2021-2022) 
2.児童サービス論レポート(2021-2022) 
3.生涯学習概論レポート(2021-2022) 
4.図書館情報資源特論レポート(2021-2022)
5.図書館制度・経営論レポート(2021-2022) 
6.図書館サービス概論レポート(2021ー2022) 
7.図書館概論レポート(2021-2022) 
8.情報サービス論レポート(2021-2022) 
9.情報資源組織論レポート(2021-2022)
番外.レポート作成のヒント 

〔提出1度目〕

設題

1.図書館における直接(的)サービスと間接(的)サービスの意義と方法について述べなさい。
2.図書館におけるヤングアダルト・サービスの意義と実践方法について述べなさい。

解答

設題1
図書館サービスは、裏方の仕事で直接利用者と接することの少ない間接サービス(テクニカルサービス)と、利用者のニーズに対応して具体的にサービスする直接サービス(パブリックサービス)に分けられる。
これは児童サービスでも同様である。以下、児童サービスにおける直接サービス、間接サービスの意義と方法を述べる。
直接サービスには、図書館利用教育の入口として図書館(本)のファンを広げること、「本を読みたい」という気持ちや、出会った本に関連する分野への、更にそれを調べていきたいという気持ちを醸成させていくことや、本を中心とした児童の居場所づくりといったことに意義があるといえる。
方法は次のものがある。まず「読み聞かせ」である。これは、おはなし会などで本を読んで聞かせるものである。次にあるテーマに基づいて数冊の本を紹介していく「ブックトーク」がある。さらに「ストーリーテーリング」もある。これは語り手が物語を覚えて、自分の言葉で聞き手(ここでは児童)に語っていくものである。これらの他にも「紙芝居」や「パネルシアター」、近年では本を書評したうえでやりとりを行う「ビブリオトーク」や「ビブリオバトル」も行われる。その他に本をきっかけとした「科学遊びの会」や「工作の会」、「映画会」なども行われることがある。
なお、それぞれの手法はいずれも本、図書館に関心をもってもらう(学校と異なり「義務」ではなく)ことで、図書館利用教育の一つとしてなされるものであり、手法が目的に変わらないよう留意が必要である。
またレファレンスやレフェラルサービス、カレントアウェアネスサービスなど図書館サービス全体を通して行われる諸方法も、児童に適した実施が必要となる。
次に間接サービスである。意義は児童の読書活動の充実を図ること、そのために読書環境を整備していくことが挙げられる。
その方法は以下であるまず、図書の選定がある。各年代(の発達課題等)に適し、なおかつ良書を選ぶ必要があり、図書館サービスの要諦ともいえる作業である。そして図書を選定した上で、予算内での発注、受入、登録(目録データの作成)を行う。加えて装備、排架まで、図書を館で利用可能にする諸作業を行っている。またレファレンスコレクションの構築と管理も行うことの一つである。この際、各年代の児童(若しくはその保護者)にあった対応が可能となるような配慮が求められる。他に年齢別のお薦めの本リストの作成や各種マニュアルの作成、パスファインダーの作成も行っている。加えて新刊書コーナーやテーマ別コーナーの設営などもある。

設題2
ヤングアダルト(以下YA)サービスとは概ね12歳から18歳までの青年期利用者に対して行うサービスである。そこではYAの興味・関心に応じて、更にYAの学習・情報・文化・娯楽などのニーズに対応し、間接的に子どもから大人への移行に成功するように働きかけていくことにその意義がある。
従ってその諸方法も、他の世代以上に思い込み等で押しつける形になってはならない。これは実践方法の一つである読書支援などでもそうである。押しつけるのではなく、YAのニーズに沿う形で「テーマ展示」「ブックリスト」などを提供する必要がある。また何気ない「フロアワーク」でもYAを子ども扱いすることなく、かといって大人への対応ではYAがまだ答えられない場合も想定し、例えば最初の問いかけは「はい・いいえ」で答えられる形にするなどの工夫が必要である。「レファレンス」も同様で、司書に分からないことを尋ねることに抵抗を持っている際に備え、「パスファインダー」での対応、質問を書く掲示板やノートの設置なども考慮することが求められる。他に学校へ通うYAに対しては「宿題支援」などもある。更には「アウトリーチ」を行いYAのいる場へ積極的に出向く必要がある場合もある。一方学習していないYAへは学習、就職支援なども検討する必要がある。更に参加型プログラムの開発も実践の一つとなる。課題本を事前に読んだ上で感想などを用いる読書会がそれにあたる。加えて図書館事業への参画も考えられる。特にYAの事業に関わってもらえば、彼ら自身のニーズに応えた運営に近づけられる。
また彼らの読書実態や情報取得に着目したい。読書実態では彼らは必ずしも読書離れしていないこと、図書との接点は書店が大きな割合を占めていることが分かる。これを踏まえ書店の図書の掲示を参考にしPOPなどを付けることも求められることもあろう。そして彼らがネット社会の中で生活し、情報取得しているていることを踏まえると、広報方法にweb上の書載ービスを用いることも必要になるだろう。
そしてこれらの実践を行うには専任者を設け予算を確保、図書館の実施計画に盛り込む、常に研修に参加できるようにするなど積極的取組が必須となる。

文字数 1994文字

添付

参考文献
赤星隆子、荒井督子編著 1998『児童図書館サービス論(新図書館情報学シリーズ12)』理想社
国際図書館連盟児童・ヤングアダルト図書館分科会編
日本図書館協会児童青少年委員会訳2013『IFLAヤングアダルトへの図書館サービスガイドライン2008年』日本図書館協会
二村健監修、竹之内偵編 2013『情報サービス論(ベーシック司書講座・図書館の基礎と展望4)』学文社
二村健監修、望月通浩、平井歩美編著 2015『児童サービス論(ベーシック司書講座・図書館の基礎と展望7)』学文社
堀川照代編著 2020『児童サービス論 新訂版』日本図書館協会
柳勝文 2011『図書館情報サービス概論』近畿大学

講評
このレポートには2つの設題があります。
最初の設題は直接サービスの意義と方法、間接サービスの意義と方法について述べることです。ここはこれでよいです。間接サービスの意義が少し弱いですが。参考までに、テキストではあまり詳しく述べていないので、ネットで「テクニカルサービス」と「パブリックサービス」などを参照してください。または、近畿大学「図書館サービス概論」のテキスト(p.22-p.24)を参考にしてください(ここではレファレンスサービスについての直接サービス、間接サービスについて述べていますが)。

二つ目の設題はヤングアダルト・サービスの意義と方法について述べることです。ヤングアダルト・サービスは図書館によっても取り組みの温度差はありますが、とても重要なサービスと言えます。ここではヤングアダルトサービスの意義についてもう少し詳しく述べてください。テキストやIFLAのガイドラインも参考にするとよいですね。

総評: 再提出

〔提出2度目〕

設題
1.図書館における直接(的)サービスと間接(的)サービスの意義と方法について述べなさい。
2.図書館におけるヤングアダルト・サービスの意義と実践方法について述べなさい。

解答

設題1

図書館サービスは、裏方の仕事で直接利用者と接することの少ない間接サービス(テクニカルサービス)と、利用者のニーズに対応して具体的にサービスする直接サービス(パブリックサービス)に分けられる。
これは児童サービスでも同様である。以下、児童サービスにおける直接サービス、間接サービスの意義と方法を述べる。
直接サービスには、図書館利用教育の入口として図書館(本)のファンを増やすこと、「本を読みたい」という気持ちや、出会った本に関連する分野へと、更にそれを調べていきたいという気持ちを醸成させていくこと、本を中心とした児童の居場所づくりといった意義がある。
方法は次のものがある。まず「読み聞かせ」がある。これは、おはなし会などで本を読んで聞かせるものである。次にあるテーマに基づいて数冊の本を紹介していく「ブックトーク」がある。さらに「ストーリーテーリング」もある。これは語り手が物語を覚えて、自分の言葉で聞き手(ここでは児童)に語っていくものである。これらの他にも「紙芝居」や「パネルシアター」、近年では本を書評した上でやりとりを行う「ビブリオトーク」や「ビブリオバトル」も行われる。その他に本をきっかけとした「科学遊びの会」や「工作の会」、「映画会」等も行われる。
なおそれぞれの手法はいずれも本、図書館に関心をもってもらう(学校と異なり「義務」ではなく)ことで図書館利用教育の一つとして為されるものであり、手法が目的に変わらないよう留意が必要である。
またレファレンスサービスやレフェラルサービス、カレントアウェアネスサービス等、図書館サービス全体を通して行われる諸方法も、児童に適した実施が必要となる。
次に間接サービスである。意義は、児童の読書活動の充実を図ること、そのために読書環境を整備していくことがある。また環境整備には居場所づくりや人格形成の場づくりという意義もある。
その方法は以下である。まず、図書の選定がある。各年代(発達課題等)に適し、なおかつ良書を選ぶことが求められる。その上で予算内での発注、受入、登録(目録データの作成)を行う。加えて装備、排架まで図書を館で利用可能にする諸作業を行う。またレファレンスコレクションの構築、管理も行うことの一つである。この際各年代の児童(若しくは親)にあった対応が可能となるよう配慮が求められる。他に、年齢別のお薦めの本リストの作成や各種マニュアルの作成、パスファインダーの作成も行われている。加えて設備の維持管理、什器等のそれや、特設のコーナーの設営なども含まれる。

設題2

ヤングアダルト(以下YA)サービスは、万人に対して提供されるものであり、児童と一般の間に位置付けられる(青年期の児童に対する)サービスである。このサービスの意義は、情報資源へのアクセスを保障すると同時に、YAの個人的関心、学習課題、娯楽等の総体的欲求に応じて図書館資源を最大限に提供すること、そして子どもから大人への移行に成功するよう支援を行うことにある。加えてリテラシーや楽しみの読書を促進することも含まれる。またこの際のYAへの対応は、専門資料や施設よりも、アプローチの仕方や力点の置き方に留意するという知識と経験に基づく方法に重点が置かれる。
例えば実践方法の一つである「読書支援」でもそうである。思い込みで押しつけず、彼らのニーズに沿った形で「テーマ展示」や「ブックリスト」等を提供する必要もある。
他に何気ない「フロアワーク」でも子ども扱いすることなく、かといって大人への対応では彼らが答えられない場合も想定する必要がある。最初の問いかけは「はい・いいえ」で答えられる形にするなどの工夫も求められる。
「レファレンス」も同様で、司書に分からないことを尋ねることに抵抗を持っていることにも備え、パスファインダーでの対応、質問を書く掲示板やノートの設置なども考慮することが求められる。
また学校に通うYAに対しては「宿題支援」等もある。これは学校の司書教諭、司書とのパイプづくりをしてニーズを把握しておく、更には「アウトリーチ」を行い彼らのいる場へ出向くことも求められる場合がある。他に通学していないYAへの学習、就職支援等も検討が求められる。
更に参加型プログラムの開発も実践の一つとなる。課題本を事前に読んだ上で感想等を持ち寄る読書会がその一つにあたる。他に図書館事業への参画も考えられる。特にYAの事業に関わって貰う等すれば、彼らのニーズに応えやすい運営に近づけられる。
また彼らの読書実態や情報取得に着目したい。読書実態では彼らは必ずしも読書離れしていないこと、図書との接点は書店が大きな割合を占めていることを踏まえ、どう来館して貰うか書店の図書の展示を参考にし、POPを付けること等も求められる。そして彼らがネット社会の中で生活していることを踏まえ、例えば広報にweb上の諸サービスを用いることも必要になるだろう。
なおこれらの実践には専任者を設け予算を確保、実施計画に盛り込む、常に研修に参加できるようにする等積極的取組が必須となる。

文字数 2096文字

添付

参考文献
赤星隆子、荒井督子編著 1998『児童図書館サービス論(新図書館情報学シリーズ12)』理想社
国際図書館連盟児童・ヤングアダルト図書館分科会編, 日本図書館協会児童青少年委員会訳 2013『IFLAヤングアダルトへの図書館サービスガイドライン2008年』日本図書館協会
二村健監修、竹之内偵編 2013『情報サービス論(ベーシック司書講座・図書館の基礎と展望4)』学文社
二村健監修、望月通浩、平井歩美編著 2015『児童サービス論(ベーシック司書講座・図書館の基礎と展望7)』学文社
堀川照代編著 2020『児童サービス論 新訂版』日本図書館協会
柳勝文 2011『図書館サービス概論』近畿大学

講評

二つ目の設題はこれでよいです。意義のところに実践方法的なものも含まれていますが、これでよいでしょう。ヤングアダルトサービスは各図書館によって取り組みは違いますが、とても重要なサービスです。

これで合格です。今後も精進して頑張ってください。
総評: 合格

振り返り
近畿大学の司書課程のレポート最後はこの児童サービス論です。再提出になったレポートです。、難しいところは、教科書読んだだけでは設問に答えられない、参考文献読んでもまだ難しい、ホントに自分でテキストを探して読み込んでいかないといけないというあたりです。1年(私の場合は2年)という限られた期間ですが、自分で所与のテーマに関する本を読み進めていくというのは非常に楽しくもあります。
また、この科目の試験はいくつかのジャンルの児童向けの図書を紹介、それを選んだ理由をというもので、これも過去問をネットで漁りながら、絵本など読んで手元に置いておくなど、かなりの準備が必要になります。そのとき、必ずしも新しい参考書、図書が良書な訳では無いということを実感できるというレポート、試験ともにとても楽しい科目でした。

…でも、できれば余裕を持って取り組んだ方が良い科目とも言えます(私は最後まで残していて試験の機会も2度取れるかどうか、かなりプレッシャーを持ち試験に臨んだ記憶があります。)

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